この数日更新できなかったが、この間、うれしいニュースがあった

●まず村上春樹カフカ賞受賞が決定したこと
23日の共同電で伝えており、ネットのサンケイと毎日で確認できた
10月30日にプラハで授賞式があるという
http://www.sankei.co.jp/news/060323/bun061.htm


ただ、この賞が「民族文化の重要性を喚起することなどに貢献した作家」に贈られるということと、地元紙がハルキの代表作として「ノルウェイの森」「国境の南、太陽の西」「海辺のカフカ」を挙げ、約20カ国語に翻訳されて世界でミリオンセラーとなっていると紹介した、とあるだけで、明確な受賞理由が伝えられていない


カフカが描いた異次元世界と、ハルキの描くファンタジー色の強い非日常世界に共通点があるということだろうか
ハルキは、カフカほどに不安とか不条理とかを感じさせないが、「死」に関しては独特の世界観を持っているように思える
かつて、安部公房が一時代を築いた時、カフカとの共通性が話題になったことを思い出す


太宰治の「富嶽百景」が映画化され、近く公開予定という
まっさきに思ったのは、あの作品世界がどのように映画化されるのかということだ


ストーリーそのものに、とりたててドラマティックが展開があるわけでない
原作では、作家活動に専念できなかった孤高の太宰が、富士山が見える宿「天下茶屋」での人々の交流を通じて次第に自信を取り戻していく過程が淡々と描かれている


おそらく映画の方は、女将さんやそこの娘さん、井伏鱒二が紹介したお見合い相手の美知子ら、太宰と女性を巡る物語が軸となるのだろうと思う
背景に富士の大自然が描かれれば、原作が持つある種の爽やかさが出せるのではないだろうか


楽しみではある


富嶽百景公式サイト↓
http://www.kaerucafe.co.jp/fugakuhyakkei/index.html
Gyao特集ページ↓
http://www.gyao.jp/cinema/fugaku/